公立学校のスクールカウンセラーは、1年単位で毎年募集があります。
住んでいる地域により、募集のタイミングや条件・内容が異なります。
教育委員会のホームページなどを確認し、早めに準備を始めましょう。
スクールカウンセラーの募集・選定は、文部科学省から出されている「スクールカウンセラー等活用事業実施要領」において実施主体とされている、都道府県・指定都市の教育委員会が行います。
募集する人数や内容は、都道府県・指定都市の教育委員会が、各年度の予算をもとに配置する学校数や勤務日数を考えながら決定します。その後、応募者から提出された履歴書その他の書類(レポートなど)を確認し、面接を行って採用という流れが一般的です。
「スクールカウンセラー等活用事業実施要領」では、スクールカウンセラーの要件(必要な条件)も定められています。
ひとくくりにスクールカウンセラーと呼ばれていますが、同要領では、「スクールカウンセラー」と「スクールカウンセラーに準ずる者」の2種類に分けられています。
「スクールカウンセラー」
1.公認心理師
2.臨床心理士
3.精神科医
4.児童生徒の心理に関して高度に専門的な知識及び経験を有し、学校教育法第一条に規定する大学の学長、副学長、学部長、教授、准教授、講師(常時勤務をする者に限る)又は助教の職にある者又はあった者
5.都道府県又は指定都市が上記の各者と同等以上の知識及び経験を有すると認めた者
「スクールカウンセラーに準ずる者」
1.大学院修士課程を修了した者で、心理業務又は児童生徒を対象とした相談業務について、一年以上の経験を有する者
2.大学若しくは短期大学を卒業した者で、心理業務又は児童生徒を対象とした相談業務について、五年以上の経験を有する者
3.医師で、心理業務又は児童生徒を対象とした相談業務について、一年以上の経験を有する者
4.都道府県又は指定都市が上記の各者と同等以上の知識及び経験を有すると認めた者
資格に関する記載は、都道府県・指定都市によって異なります。一般的には「スクールカウンセラー」の要件を満たす人数だけでは不足する場合、「スクールカウンセラーに準ずる者」を採用するというケースが多いようです。
スクールカウンセラーの募集時期は、早いところでは9月頃から募集が始まります。これは、都道府県・指定都市によりまちまちです。
教育委員会のホームページで募集のお知らせを見ることができます。
募集要領や応募書類などをダウンロードして郵送するところもあれば、オンライン申込みのところもあります。書類の受付期間は、2週間程度のところが多いようです。
初めて応募する際は、継続採用者とは異なる書類が追加になることがあります。必要となるレポートなどは準備に時間がかかりますので、早めに募集要項を確認して、準備を始めましょう。
なお、追加募集や欠員補充のための募集もありますので、ホームページをマメにチェックしておくことがおすすめです。
スクールカウンセラーの募集のお知らせと申し込み受付の後は、書類選考や面接などが行われます。
一連の流れは都道府県・指定都市によって異なりますので、希望するところの前年度の募集要項をホームページで探す、または電話で問い合わせて確認しましょう。
基本的には、9月~翌年3月までの期間に選考が行われますが、採用については「採用候補者」として予定される、あるいは採用候補者名簿に登録されるなど、正式な採用は先送りになる場合がほとんどです。
なぜなら、次年度の予算が確定後、予算に応じて採用するからです。
勤務できる日数や曜日などは事前に聞かれますが、実際にどの学校にどのくらい勤務するかは年度末ギリギリになって通知されることが多いようです。採用されるかどうか不確定なまま待つことになるのが難点です。
スクールカウンセラーの報酬は、日給の場合と時給の場合があります。
平均は、スクールカウンセラーは時給5,000円前後、スクールカウンセラーに準ずる者は時給3,500円前後のようです。
1日あたりの勤務時間や年間の勤務日数の設定は都道府県・指定都市によってかなり異なります。
例えば、令和3年度の募集案内を参考に中学校で比較すると以下のようになります。
神奈川県:1日7時間、年間35回(時給5,000円で年収1,225,000円)
北海道:1日4時間程度、週1回(年間35回と想定して、時給4,300円で年収602,000円)
複数校に配置されるかどうかわかりませんので、最低ラインということになります。
スクールカウンセラー以外の仕事を並行して行うことができるという意味では、ライフスタイルに合わせて仕事のひとつとして選択しやすい職種であると言えるでしょう。