トピックス③:問題解決 → 課題設定

 

問題が山積みになっていると、どこから手をつけていいかわかなくなることがあります。

また、いろいろやってみているのに変化が見られないと焦りやあきらめの気持ちに襲われます。

ここでは、どのような支援がいいのかを考えます。

 


 

問題は新たな問題を生みます。次々と立ちはだかる問題を前にすると、もうどうしていいかわからないという気持ちになりがちです。

 

そんなとき、現状の問題ある状況はともかく、いまこの子どもにとって何を課題としたらいいのかを考える視点に切り替えてみると、出来ることが見つかるかもしれません。

 

 

 

例えばAくんは、学校で先生から言われたことに心が深く傷つき、まもなくして登校しなくなりました。

 

最初のうち保護者は何とか登校させたいと強く言ったり説得したりしましたが、Aくんは次第に暴力的になり、壁をなぐって穴をあけたり暴言を吐くようになりました。

 

子どもが表面的に強い態度を取っているとき、実は孤独や不安などでいっぱいになっていることがあります。友だちが登校しているのに自分は学校に行っていないことで気おくれを感じている場合もあります。子ども自身も、自分がどうしていいかわからなくて困っているのです。

 

 

保護者は、もう自分たちではどうしようもないと学校のスクールカウンセラーに相談に訪れました。

 

そこで、子ども自身もどうしていいかわからずに困ったり焦ったりしているとを聞き、そのような子どもの状態を理解したうえで保護者として子どもにどのように毎日を過ごしてほしいかを考えること、登校や勉強をしていないという問題だけに目を向けず、子どものこの先の人生を考えるときに身につけてほしいことは何かを考える課題設定が大事だと考えるようになりました。

 

 

なかなか難しいところではありますが、不登校や不適応の状態を「学校が合わないと感じる子どもがいても不思議ではない。」と受け入れてみるところからがスタートです。

 

他の子どもと同じようなことを同じスピードでやることが苦手な子どもは、特に学校で大変な思いをしていると考えられます。感じ方も考え方も性格も気質も子どもによって違いがあるのは当たり前で、子どもを学校にあてはめるのではなく、学校がその子にあてはまるかどうかを考えることが大事です。

 

また、思い切って主張してみたものの周囲の反応に戸惑い、子ども自身がこれでいいのかと疑問を持つような相反する気持ちを抱えている可能性があります。

 

保護者や学校の教職員、スクールカウンセラーなど、子どもを支援する大人は、「こうあってほしい。」という期待だけにとらわれず、子どもの状況を客観的、かつ変化に振り回されず冷静に見ることが重要です。

 


困ったときの声かけのコツ

 

子どもへの対応に困ったとき、具体的にどう声をかけたらいいか、いくつかご紹介します。

 

ポイントは、Yes/Noで答えられる質問 ”クローズドクエスチョン“ ではなく、自由に話して答えてもらう ”オープンクエスチョン“ を使うことです。

 

 

 

以下は質問ではないものも含まれます。

行動を認めたり、自信を持つことができるような声かけが、子どもの心に届きます。